見てみよう、電源構成比

電力会社の多くは、“電源構成比”というものをHP等で公開している。
実物を見た方が早いので、下に電源構成比のグラフの画像を貼ってみる。

※私の考えた架空の電力会社”X社”の電源構成比であり、数値は適当である。

経済産業省が出した「電力の小売営業に関する指針」に基づき、電力会社は自らの供給する電気をどのように調達しているのか、グラフで公開することが推奨されている。
消費者に情報を与えることが目的である。
ほとんどの電力会社が上のような円グラフで電源構成比を公開している。
なぜかというと、先述の「電力の小売営業に関する指針」に載っている電源構成比の記載例が円グラフだから。
ちなみに、指針は誰でも読めるようになっており、検索エンジンで「電力の小売営業に関する指針」と調べると経済産業省のHPのPDFが出てくるので、興味のある方は読んでみるといい。

そもそも「LNGって何?」「FIT電気って何?」と疑問に持たれている方もいらっしゃると思うので、今一度解説する。

1.石炭
石炭を燃料に使用した火力発電所によって発電された電気である。
石炭は特定の地域への依存率が低く、埋蔵量も豊富にあるため、世界中で利用されている燃料である。
日本の石炭火力発電所は発電効率が高いとされているが、発展途上国の効率の低い石炭火力発電所と一緒くたにされて欧米から批判されており、肩身が狭くなっている。

2.LNG
LNGとは”Liquefied Natural Gas”の略で、メタンを主成分としたガスを冷却して液体化した燃料である。
石炭や石油を使った発電と比べ、環境に悪影響を与えるNOx(窒素酸化物)やSOx(硫黄酸化物)といった物質を発生しにくい。

3.FIT電気
固定価格買取制度(FIT)によって電力会社に買い取られた電気である。
FIT(FIT法)については、別途専用の記事を書いて詳しく解説したい。
とにかくFIT電気は太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス発電などで発電された電気である。

4.卸電力取引所
日本卸電力取引所(JEPX)から調達した電気のことである。
卸電力取引所から調達する電気にも種類があるが、ややこしくなるのでここでの説明は省く。

5.水力
水力発電所で発電された電気のことである。

6.再生可能エネルギー
太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス発電などで発電された電気である。
FIT電気はFIT制度を通じて固定の金額で買い取られた電気である一方、こちらはその制度を通さずに調達された電気である。
電力会社が保有する太陽光発電所や風力発電所で発電した電気などが該当する。

7.その他
多くの電力会社の電源構成に見られる”その他”であるが、軒並み「※他社から調達している電気で発電所が特定できないものなど」という注釈付きのことがほとんどである。
これも「電力の小売営業に関する指針」にそういうように明示するように書かれているから。

番外編1.石油
石油を燃料に使用した火力発電。
昔は火力発電で石油が多く使われていたが、石油の価格の高騰により、日本ではあまりやらなくなった。

番外編2.原子力
ウランやプルトニウムなど核物質の核分裂により発生するエネルギーを利用した発電方法。

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