「シナネンあかりの森でんき」に切り替えよう

でんきのこと

自宅の電気をシナネン株式会社の「シナネンあかりの森でんき(以下あかりの森でんき)」に切り替える手続きが済んだという話を少し前の記事で書いた。
あかりの森でんきへの切り替えを検討されている方々の後押しになればと思い、この記事を書くことにした。
この記事では、電気の切り替えに関して前提となる知識を解説した上で、あかりの森でんきに切り替える方法を説明していきたい。
※私が東京電力エリアに住んでいる関係で、「3.あかりの森でんきの申込方法」以降については東京電力エリアで電気を使用されている方々向けの説明となる。他の電力会社エリアの方々には申し訳ない。

目次
1.電力自由化の背景
1-1.電力自由化とは?
1-2.新電力とは?
1-3.日本卸電力取引所(JEPX)
1-4.新電力が利益を生む仕組み
1-5.送配電分離
1-6.託送料金

2.スイッチング
2-1.スイッチングとは?
2-2.廃止取次
2-3.廃止取次のルール
2-4.廃止取次が上手くいかない場合

3.あかりの森でんきの申込方法
3-1.エリアの選択
3-2.サポーターズプランの選択
3-3.電力プランの選択
3-4.切り替えを再考した方がいい例
3-5.切り替えに慎重になった方がいい例
3-6.切り替えできないかもしれない例
3-7.申込送信後に必要となる情報
3-8.検針票のアップロード

4.まとめ

1.電力自由化の背景
1-1.電力自由化とは?
かつての電力網は地域ごとに10社の大手の電力会社によってほぼ独占状態にあった。
おなじみの北海道電力、東北電力、東京電力、北陸電力、中部電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力の10社である。
しかし、この状態では競争原理が働きにくく、電気料金が安くなりにくい。
そのため“電力自由化”という政策を国が打ち出し、それから新しい電力会社が次々と電力事業に参入していった。
電力自由化の歴史は2000年に始まる。
最初はビルや工場などの大量に電気を使用する施設から始まり、規模の大きい施設から規模の小さい施設へと段階的に進んでいき、2016年に私たち一般家庭まで電力が自由化された(電力の全面自由化)。

1-2.新電力とは?
“新電力”とは電力が自由化されてから設立された新しい電力会社の総称である。
あかりの森でんきを提供するシナネンも新電力の一つである。

1-3.日本卸電力取引所(JEPX)
電力自由化前の電力会社は基本的に自社で発電した電気を自社のエリアに住む消費者に供給していた。
例えば、東京電力は自社の発電所で発電した電気を自社が持つ電線を通じて東京電力エリアに住む消費者に供給していた。
しかし、電力自由化後は電力会社は必ず発電所を持つとは限らなくなった。
電力自由化に伴って“日本卸電力取引所(JEPX)”が設立され、電力会社は卸売市場から電気を調達することができるようになった。
発電所を持つ会社から直接電気を買い付ける方法もあることは一応述べておくが、卸売市場から電気を調達することにより、発電所を持たない電力会社というのも成り立つようになった。
あかりの森でんきを提供するシナネンは、自社やグループ会社で発電所を持ちつつ、卸売市場からも電気を調達しているようである。
自社で発電所を持っているにもかかわらず、卸売市場からも電力を調達しているとはどういうことだろうか。
それについては次項で説明するが、新電力が卸売市場から電力を調達するのはごく自然なことである。

1-4.新電力が利益を生む仕組み
卸売市場では市場原理が働いているので、電気が余っている時は安い金額で電気が取引され、逆に不足している時は高い金額で取引される。
卸売市場で取引される電力の価格は時間帯によって常に変動している。
太陽光発電で考えると分かりやすい。
晴れた日は太陽光発電所がたくさん電気を発電してくれるので、卸売市場には電気が豊富にあり、取引価格は下がる。
逆に雨の日は太陽光発電所はほとんど電気を発電してくれないので、卸売市場の電気は少なくなり、取引価格は上がる。
自社で発電所を持っている新電力も、自社で発電するより卸売市場の方が安く電気を調達できるならば、その時間帯は卸売市場で調達する比率を上げる。
このようにして原価率を下げるのが商売の鉄則である。
また、自社の発電所が稼働していない時間帯は電気を卸売市場から調達している。
余談であるが、自社の供給する電気を全て卸売市場から調達している電力会社も存在する。
その場合の多くは電気料金が市場価格に連動するプランを消費者に提供しているが(市場連動型)、大寒波の到来により暖房使用等で電気の消費量が増えて需給が逼迫する、すなわち卸売市場の価格が高騰すると、電気料金の請求が前年同月比で10倍になったというようなことも起こり得る。
市場連動型のプランはそういったリスクもあるということを頭に入れておいた方がいい。

1-5.送配電分離
電力自由化はされたが、地域ごとの10社の電力会社は消えたわけではない。
ただし、それらの電力会社も新電力と同じ立場にならないとフェアな競争は望めない。
例えば、ある消費者のところで電気が急に止まったというトラブルが起こったとして、特定の電力会社がトラブルの解決に有利な立場にいては不公平である。
そこで法律が整備され、地域ごとの10社の電力会社は、電気を一般消費者に売る小売部門、電線を通じて電気を送ったり電線を保守管理したりする送配電部門、電気を発電する発電部門に分社する形で存続している(沖縄電力を除く)。
これを“送配電分離”という。
例えば、東京電力は小売部門としての東京電力エナジーパートナー、送配電部門としての東京電力パワーグリッド、発電部門としての東京電力フュエル&パワーの三社に分社化した。

1-6.託送料金
電力会社が送配電網を使用して消費者に電気を供給するにあたって、供給した電気の量に応じて送配電事業者(東京電力エリアだと東京電力パワーグリッド)に支払う料金のことを“託送料金”という。
このように電力会社の経費としては、電力調達費用、運営(営業)費用の他に、託送料金は必ずかかる。
ちなみに、発電所と電気を使用する場所が遠いほど託送料金は上がる。
地域の送配電事業者のエリア内ではなく、主にエリアをまたいだ時の話である。
一般的に電気を発電する場所と消費する場所が遠いほど電線の距離が長くなり、電線自体の電気抵抗によるロスも多くなるからである。
ロスはできるだけ少なくしたい。
そこで、電力の地産地消を目的とした事業形態をとる新電力も生まれている。

2.スイッチング
2-1.スイッチングとは?
電気を使用できる状態を保ったまま電力会社を切り替えることを“スイッチング”という。
2016年の電力自由化に伴い、電力会社の切り替えがスムーズに行われるために、認可法人(国の息のかかった法人)である電力広域的運営推進機関によりスイッチング支援システムが運用開始された。
これにより、以前は電力会社を切り換えるためには、切り替え元の電力会社と切り替え先の電力会社の両方に対し手続きを行わなければならなかったのが(ツーストップ)、切り替え先の電力会社だけに申込するだけでよくなった(ワンストップ)。

2-2.廃止取次
前項で説明したワンストップで電力会社を切り替えられる仕組みを“廃止取次”という。
廃止取次により、切り替え先の電力会社が切り替え前の電力会社の廃止の手続きを私たちに代わって取り次いでくれるのである。
つまり、あかりの森でんきに切り替えるには現在契約している電力会社に手続きをする必要は無く、シナネン株式会社のあかりの森でんきのホームページから申し込めばいいだけである。
しかし、場合によっては現在契約している電力会社に問い合わせて契約に関わる情報を集めないと切り替えが上手くいかないケースもある。

2-3.廃止取次のルール
廃止取次では切り替え先の電力会社がスイッチング支援システムを通じて、切り替え元の電力会社に対し、切り替えたい人の情報を送る。
名前、住所、契約番号、供給地点特定番号、切替日などである。
これら廃止取次の情報を新電力の会社どうしで日々送り合っている。
廃止取次にはルールがあり、廃止取次を受け取った切り替え元の電力会社は極力迅速に回答しなければならない、正当な理由なく回答を引き延ばしたりして引き留めをしたりしてはならない、などがある。
なお、新電力に切り替えを申し込んだことのある方なら経験があるかもしれないが、切り替えを申し込んでから実際に切り替えが確定するまで、どんなに早くても2日以上間が空くことがほとんどである。
即日で「切り替えが確定しましたよ」とはならないのは、廃止取次というステップを踏んでいるからである。
また、次項で説明するように、廃止取次が上手くいかない場合も起こり得るからである。

2-4.廃止取次が上手くいかない場合
廃止取次に必要な情報は、名前、住所、契約番号、供給地点特定番号、切替日など、と前項で説明した。
それらの情報に不備があった場合には、廃止取次が上手くいかないことがある。
切り替え元の電力会社は契約情報をもとにして送られてきた廃止取次の可否を回答する。
例えば、契約情報と廃止取次で送られてきた名前が異なっていたら、「名前が違います」といって廃止取次は”否”の回答になる。
名前以外の情報が全て合っていたとしてもである。
なぜかというと、電力会社は送配電事業者に自社の契約者の名前を登録することになっている。
切り替え元と切り替え先の電力会社で廃止取次が上手くいったとしても、廃止取次で使った名前と送配電事業者に登録されている名前が異なると、送配電事業者から切り替えを却下されてしまうからである。
廃止取次はあくまでも切り替え元と切り替え先の電力会社で切り替えを円滑に進めるための仕組みであって、実際のところ最終的な切り替えの可否は地域の送配電事業者(東京電力エリアだと東京電力パワーグリッド)に委ねられている。
このように廃止取次やその次のステップの切り替えが上手くいかなかった場合、切り替え先の電力会社から申込情報の確認の電話が来るかもしれない。

3.あかりの森でんきの申込方法
前提となる知識が揃ったところで、あかりの森でんきの申込方法を解説していこう。
しかし、私はサービス開始前の事前申込期間に申し込んだので、現在の詳しい申込方法は分からない。
ただ、申込に必要な情報は概ね変わらないはずである。
なお、私が東京電力エリアに住んでいる関係で、東京電力エリアに住んでいる方向けの説明となることをご容赦頂きたい。

3-1.エリアの選択
東京電力エリアに住んでいれば、エリアは「東京」を選択しよう。

3-2.サポーターズプランの選択
サポーターズプランは特典の内容とサポーターズ料金との兼ね合いで決定しよう。
と言いたいところだが、現在申込前のページにはこれらサポーターズプランの料金の記載は無くなっている。
おそらく、申込ボタンの押下まで至る確率を上げる目的ではないかと勝手に想像。
申込ボタンを押した後、送信前のページの下のスクロール部分の気がつきにくい場所にサポーターズ料金及び特典内容の記載があるので、そこで確認しておこう。

3-3.電力プランの選択
電力プランは、エリアで東京を選択していると、
・プランB/C(でんきとガスをお使いの住宅)
・プランS(オール電化住宅)
の二つが現れる。
プランB/Cを選択すると、さらに下記の二つの選択肢に分岐する。
・プランB(従量電灯Bに該当します)
・プランC(従量電灯Cに該当します)
プランSを選択すると、下記の二つに分岐する。
・プランS(アンペア契約の方)
・プランS(キロボルトアンペア契約の方)

東京電力エナジーパートナーと契約している場合の選択方法は以下の通りである。
・従量電灯B、スタンダードS→プランB/C→プランB
・従量電灯C、スタンダードL→プランB/C→プランC
・スマートライフS→プランS(オール電化住宅)→プランS(アンペア契約の方)
・スマートライフL→プランS(オール電化住宅)→プランS(キロボルトアンペア契約の方)
※ここで記載していないプランについては後述する。

3-4.切り替えを再考した方がいい例
ここで重要な補足であるが、現在東京電力エナジーパートナーと契約しているプランが以下の場合、あかりの森でんきへの切り替えを再考した方がいいかもしれない。
・電化上手
・おトクなナイト8
・おトクなナイト10
・ピークシフトプラン
これらの現在新規加入を受け付けていないプランの場合、切り替えにより電気料金が予想以上に高くなる可能性がある。
あかりの森でんきの電気料金が高いという話ではなく、それだけ東京電力エナジーパートナーの”電化上手”を始めとする旧プランが別格とも言えるほどのお得なプランなのである。
これらのプランは原子力発電所が稼働していた時代の名残で、夜間の電気料金が非常に安い。
2022年10月1日の料金改定により夜間の料金は値上げされたが、それでもまだ安い。

3-5.切り替えに慎重になった方がいい例
また、以下のような東京電力エナジーパートナーの電気を多く使う家庭向けのプランの場合は切り替えに慎重になった方がいい。
・プレミアムS
・プレミアムL
あかりの森でんきでは4段階制の従量料金を採用しており、451kWh以上ではプレミアムS・Lよりも従量料金が安いが、プレミアムS・Lは2年契約のため期中解約金が発生する可能性があることに注意しておきたい。

3-6.切り替えできないかもしれない例
なお、プランが東京電力エナジーパートナーの以下のプランである場合、切り替えが難しいかもしれない。
・プレミアムプラン
・スマートライフプラン
これらのプランは契約容量が使用実績に基づいて変動する”スマート契約”だが、あかりの森でんきへの切り替え前に契約プランの変更が必要になるかもしれない。
これについては説明が細かくなりすぎるため、この記事では詳しくは取り扱わない。

3-7.申込送信後に必要となる情報
私が申し込んだ際スクリーンショットなどを残していなかったので記憶を頼りに解説する。
間違いがあるかもしれないし、今では変わっていることもあるかもしれない。
申込送信後、登録したメールアドレスにお客様情報登録用のページのURLが届いた。
そのページで確か下記の情報の入力を求められた。
➀供給地点特定番号
➁お客様番号
➂契約名義
➃使用場所住所
➄契約容量

➀の供給地点特定番号は「03(東京電力エリアの場合)」から始まる22桁の番号である。
➁のお客様番号は電力会社ごとに桁数がまちまちの番号である。
➂の契約名義は、その名の通り電力会社との契約名義。
➃の使用場所住所も同上。
➄の契約容量も同上。

一例として、東京電力の自由化前のプランの検針票ではそれぞれ以下の位置に記載がある。

やってはいけないのが、過去に東京電力で契約していた頃の古い検針票をもとに申込を行うことである。
なぜなら、2-2から2-4で解説した廃止取次に失敗してしまう可能性があるからである。
➀の供給地点特定番号は電気の使用場所固有の番号なので、引っ越すと変わってしまう。
➁のお客様番号は電力会社を切り替えると当然変わってしまうし、特定の電力会社で継続して契約していたとしても契約内容の変更などを行っていれば変わることもあり得る。
➂の契約名義に関しては、結婚する前の旧姓のままだったり、親や配偶者の名義だったりする場合も要注意で、「2-4.廃止取次が上手くいかない場合」で解説したようにそのままではスイッチングすることはできないので、契約者本人に頼んで契約者本人の名義で申し込むか、現在契約している電力会社で名義の変更を行ってから申し込むかの二通りである。
ここで重要な補足だが、電力会社のスイッチングと名義の変更や契約アンペア数の変更は同時に行うことができない。

3-8.検針票のアップロード
「3-7.申込送信後に必要となる情報」の➀~➄の情報を入力した後、紙の検針票を写真に撮ってアップロードするよう求められた。
前述のように契約情報が変わっている可能性があるため、古い検針票をアップロードしないようにされたい。
直近の検針表を持っていて、契約プランや名義の変更をした覚えが無ければ、そのまま写真に撮ってアップロードしよう。
ちなみに私の場合、過去に東京電力で契約していた時の検針票は持っていたが、スイッチング後の電力会社は検針票を発行しておらず、契約内容や電気料金をホームページで確認するタイプの電力会社だったため、紙の検針票を持っておらず、申込が先に進まなかった。
そこで、シナネンのカスタマーセンターに問い合わせたところ、供給地点特定番号やお客様番号、契約名義、契約住所などが分かる画面のスクリーンショットをアップロードするように指示された。
スマホで契約内容照会ページのスクリーンショットを撮ってアップロードし、その後クレジットカード情報を登録したところ、特にシナネンから不備等の問い合わせも無く、「ご使用開始予定日」のお知らせがメールで届いた。


「いらすとや」より

4.まとめ
長くなってしまったが、皆さんがあかりの森でんきに切り替えるにあたって、この記事が少しでも助けになれば幸いである。

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