「シナネンあかりの森でんき」に切り替えよう

でんきのこと

シナネンあかりの森でんきの価格が2023年4月使用分から改定された。
大幅な値上げとなったようだが、実際のところはどうなのだろう。
まずは旧プランと新プランの基本料金・従量料金を比較してみよう。
なお、今回の価格改定は同じプランの中での値上げであり、厳密に言うとプランは変わっていないが、料金体系が大きく変化したため旧プランと新プランという呼び方をしている。

旧プランのおさらい。
東京電力エナジーパートナーのスタンダードSよりも少し安い従量料金が設定されていたために使えば使うほど価格差が小さくなっていくという特徴があり、1000kWh以上使うとトップサポーターズ料金を1000円払ったとしてもスタンダードSよりも安くなっていた。

新プラン。
基本料金はタダになったものの、従量料金が値上がりしている。

使用量毎の新旧プランの料金を表とグラフにしてみた。
なお、サポーターズ料金と燃料調整費は考慮してない。

かなりの値上がりになることが分かる。
実は私は今回の価格改定でほとんど影響を受けなかった。
私があかりの森でんきで契約しているのは自宅マンションの空き部屋であり、ほぼ倉庫としてしか使っていないので、月々の使用量は50kWhに満たない。
下のグラフでいうと、2本の線がちょうど交差している辺りである。
基本料金がタダになったので、従量料金の値上げの影響を受けずに済んだ。
ただ、このような特殊な使い方をしている例は少ないだろう。
過去に多少料金が高くても家族を説得してあかりの森でんきに切り替えた人の中には、2023年4月使用分からの値上げで肩身の狭い思いをしている方もいると思われる。

ただ、東京電力エナジーパートナーのスタンダードSと比較してみるとどうだろうか。
スタンダードSのあかりの森でんきの新プランの従量料金を並べて比較してみた。
スタンダードSは0~120、120~300、300~で3段階であり、あかりの森でんきの新プランは0~200、200~400、400~で3段階。
基本料金の有無に加え、従量料金も同じ3段階ではあるが刻み方を変えているところが同列での比較を難しくしている。

使用量毎の料金の比較。
なお、今回はサポーターズ料金は考慮しないこととした。

サポーターズ料金を考慮しなければ、大幅に値上げしたあかりの森の新プランとスタンダードSの間にはそこまで価格差が無いことが分かる。
むしろ今までのあかりの森でんきが安すぎたのである。
0~1000kWh通して、価格差は2000円以内に収まっている。
旧プランから新プランへの値上げ幅よりも小さい。
あかりの森でんきを使い続けたいけれども家族の説得に困っている方がいれば、下のグラフを使ってもいい。
今東京電力に戻したところでそこまで安くはなりませんよ、と。
それでも説得できなかったら仕方がない。

価格改定に関しては上手いことやっているなというのが率直な感想。
特にスタンダードSとの価格差を絶妙に抑えているのは、かなりの労力をかけて試算を重ねた結果であると思われる。
しかし、ここまでの値上げならば、お知らせをメール1通で済ませるのではなく、比較表を送るなどの誠意を示してほしかった。
新電力という業界は”信用”が最も大事である。
新電力に一度懲りた客は旧一電に戻ってしまい、新電力には二度とお金を落とさなくなる。
シナネンには優秀な人材がたくさんいるようだから、ここは値上げを丁寧に説明して、客は多少失っても信用は維持してほしかったところである。

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