おととい、吉祥寺の東急百貨店の8Fにあるセリアで「化石博物館」と「貝殻コレクション」という、石膏の中にランダムで埋まっている化石や貝殻を細い木の棒で発掘するおもちゃを買った。
“ずんだもん”という音声読み上げソフトの声で色々な商品をレビューするYouTubeチャンネルの一つで紹介されていて、興味を持って買ってみたのである。
その後、同じフロアの紀伊國屋書店になにげなく寄ったところ、店の一角のテーブルに化石や鉱物が値札付きで並べてあるのが目に留まった。
「化石鉱物フェア」なる期間限定のイベントらしい。
安い物は500円くらいからあった。
その時は見るだけで何も買わなかったが、今日再び紀伊国屋書店に行って展示品を15分ほどじっくり眺め、鉱物(石)を二点ほど購入した。
下記が購入した石である。
左が砂漠の薔薇(デザートローズ)で右が蛍石(フローライト)。
砂漠の薔薇は見ての通り、薔薇の花のような見た目をしている石である。
別にいい話とかではないが、思い出話をば。
砂漠の薔薇は私が小さい頃、母の田舎に行った時に鉱物好きの祖父が部屋に飾っていて、自慢げに見せてくれた思い出がある。
今日買ったのは直径3cmほどの大きさだが、祖父が持っているのは人の頭ほどの大きさがあった気がする。
祖父は毎年夏休みに私が来ると石のコレクションを見せてくれたり、昔鉱山に勤めていた時の思い出話をしてくれたりした。
その時の誇らしげで楽しそうな顔は今でもはっきりと覚えている。
母や祖母いわく、孫にしか見せない顔らしい。
ただ、その祖父もここ数年でめっきり老けてしまい、「○○(私の下の名前)くんはもう中学校を卒業したのかな?」などとたまに呟いているらしい。
私が中学校を卒業したのは15年以上前で、それ以降も数回会っており、大学に進学したという話もしたはずである。
“老い”という人間には抗いようのない自然の摂理を感じて寂しい気持ちもあるが、祖父の顔を思い出して砂漠の石を購入した。
もう一つの石は蛍石。
不規則な形状や色合いをしているが、その中に四角い結晶が埋まってキラキラ光っている。
その不規則性に美しさを感じる。
また一つ、思い出話をば。
蛍石の主成分はフッ化カルシウム(元素記号で表すとCaF2)である。
私が大学・大学院時代に在籍していた研究室では”フッ素化学”をテーマとして、フッ素原子を含む化合物の合成方法について研究していた。
フッ素原子は水素原子に続き、全ての原子の中で二番目に小さい原子である。
ただ、大きさは近い一方で、その性質は水素とは大きく異なる。
それゆえに化合物の構造式に含まれる水素原子の一部をフッ素原子に置き換えると、その物質の性質が変わったりすることがある。
医薬品に使われる物質だったら、薬効が上がったり、もちろんその逆もあったりする。
これを作りたいというズバリ目的の物質があったわけではないが、既知の反応の効率を上げたり、既知の反応をフッ素を含む化合物にも応用できることを示したりする方向性でやっていた。
また、研究室では蛍石そのものを使うことはなかったが、フッ素の大元の原料は蛍石であることはフッ素化学に携わる者の基礎知識として持っていた。
石そのものの美しさに惹かれただけでなく、そんな縁もあって手元に置いておこうかなと蛍石を購入した。
さて、思い出に浸りながらひとしきり石を眺めた後、おとといセリアで買った「化石博物館」と「貝殻コレクション」を発掘していこうか。
まずは「貝殻コレクション」の方から。
次に「化石博物館」
二つとも発掘完了。
「貝殻コレクション」の方はミヤコボラ。
「化石博物館」の方は硬骨魚類の一部でした。
箱をよく見たら、”フィギュア”って書いてあった。
まあ、そうだよね…。
本棚にある貝殻・石のコレクションコーナーの仲間入り。
どちらの発掘品もちょうどいいサイズ感でした。
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