「そこがみそなんだよ!」
私のクラスの担任でもある数学教師の口癖だった。
重要であろう事柄を説明する時、頻繁に使っていた。
ある日、件の表現がでた直後、クラスのお調子者が「みそって何ですか?」と聞いた。
教師は一瞬ハッとした顔をした後真顔で、
「潰した大豆を発酵させて作られる調味料のことです。」
次の瞬間、まるで”シーン”という効果音が本当に聞こえてきそうなほど、教室が静かになった。
お調子者も神妙な顔をして黙っている。
なんか言えや。
その時から「そこがみそなんだよ!」は聞けなくなった。
これは私の高校時代の心残りの一つである。
※この話はフィクションです。
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