僕は幼稚園くらいの頃、騎手になりたいと思っていたんだ。
でも、当時は騎手と言う職業がどんなものかもよく知らなくて、「白馬に乗った王子様にさらわれたい」と思っていたあたり、子ども時代特有のあいまいな夢だね。
僕が「騎手になりたい」と言いまくっていたからだろうか、ある夏、両親が岩手県にある牧場の乗馬体験に連れて行ってくれたんだ。
でも、いざ馬の背中に跨ろうとした瞬間、馬が突然前に走り出して、僕は地面に尻もちをついちゃったんだ。
顔がくしゃくしゃになるほど大泣きして、乗馬体験は中止。
くしゃくしゃになった顔は東京に帰ってからお風呂に入ったら元通りになったけど、僕の騎手になるという夢は早晩ついえたんだ。
※この話はフィクションです。
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