人類が滅亡する3日前

遠くに白い明かりが見えてきた。
途中駅で後ろの7両を切り離して3両だけになった電車はゆっくりと減速していく。
この駅でも、何十人もの負傷者が待っているはずだ。
双眼鏡を取り出し、ホームを見てみると、奴らがいた。
しかも見えるだけで5m級のが3体はいる。
これは無理だ…。
避難民を誘導している警察官や、何人かの迷彩服姿が銃を撃っているのも見える。
駅が近づいてくるにつれ、運転手にも様子が分かってきたらしく、運転レバーを握る手が震えだしてきた。
私は彼の手を手袋の上から掴み、レバーを前に押し倒した。
停車態勢に入りつつあった電車は速度を上げ始めた。
「いいんですか?」と運転手が小さな声で聞いてきた。
「ここで停まったら、列車の中の負傷者も危険にさらすことになる。」
ホームの先で一般市民の一人がこっちに向かって何か叫んでいるのが見えた。
列車は速度を上げながら猛スピードでホームを通過していく。
ホームにいる市民が抗議で何かを投げてきているのだろうか、何回か運転席の全面の窓に物がぶつかる音がした。
この駅では仕方が無かったのだ。
とにかく一人でも多くの負傷者を病院に運ばなければ。

※この記事はフィクションです

コメント