2026年9月26日~筑波実験植物園

ちょっとした遠出

今日はつくばエクスプレスのつくば駅から路線バスで10分ほどのところにある筑波実験植物園に行ってきた。
筑波実験植物園は上野にある国立科学博物館の関連施設である。
なぜ訪れようと思ったかというと、SNSを利用してサンコタケというキノコの情報を検索していたところ、過去一週間以内にこの植物園でサンコタケが見られたという情報を得たためである。
今年は9月上旬からカニノツメやサンコタケを探して小山内裏公園に2度行っているが、いずれも空振り。
そんなに焦らなくともキノコシーズンが終わる前にそのうち生えてくるとは思うが、早く見たい気分だったので、見られると分かっている場所に見に行くことにした。

秋葉原駅からつくば駅までつくばエクスプレスを利用した。
数年前に仕事で青井駅から北千住駅まで乗ったことがあるが、全線乗り通すのは初めてである。
都営新宿線の岩本町駅からつくばエクスプレスの秋葉原駅まで歩き、始発電車に乗ってつくば駅まで45分ほどで到着。
最高時速130kmを誇るだけあって、田んぼと住宅の入り交じる風景の中を唸りを上げながら驀進(ばくしん)するのに興奮した。

つくば駅から筑波実験植物園に向かう路線バスの時間まで45分ほどあったため、駅前の複合施設に入っているコンビニエンスストアでお弁当を買い、バスロータリーの近くにあるベンチに座って食べた。
11時40分につくばセンター(つくば駅)を出発する筑波山口行きの路線バスに乗り、天久保(筑波実験植物園)というバス停で下車。
筑波実験植物園は来た道を少し戻ったところにある横断歩道を渡ってすぐである。

筑波実験植物園の通常の入園券は大人320円であるが、今回は1000円の寄付付き入園券を購入した。
通常の入園券との差額の680円が寄付金として植物園の活動に充てられる。
インターネットで調べたところによると、上野の本館でも同様の寄付つき入館券の取り組みを行っているようだ。
植物園の入口の窓口で寄付つき入園券を提示すると、植物園の植物や風景の写真が印刷されたトレーディングカードサイズのカードが貰える。
私が貰ったカードの表面には「キタダケヨモギ」という南アルプスに自生する日本固有の高山植物が印刷されており、裏面には筑波実験植物園の研究員による解説が載っていた。
ちなみに、10月1日からカードのデザインが変わるらしい。

入口の建物から出て少し歩いたところにセコイアという針葉樹が植わっていた。
キノコが主な目的であるので素通りするところだったが、樹皮の見事さに足を留めざるを得なかった。
八王子でメタセコイア化石を観察した時と同じような感動であった。

園内に生えているキノコを紹介する看板があった。

看板でも紹介されていたアラゲキクラゲをさっそく発見。
雨を含んでぷるぷるな見た目である。
ちなみに今日のつくば市は午前中は雨だが、午後から次第に晴れる予報が出ている。
つくば駅では雨がそれなりに降っていたが、植物園に入った時点では傘を差さなくてもいい程度の小降りになっていた。

エリマキツチグリを発見。
この時期に林の中でよく見かけるキノコよね、と写真を撮って通り過ぎようとしたところ、思いがけない光景に声を上げてしまった。

なんと、球根のような形をした、開く前のエリマキツチグリがたくさん落ちている。

今まで開く前のツチグリを見たことはあるが、せいぜい一度に2~3個である。
それがたくさん、雨のせいだろうか、腐葉土からはみ出してきて園路の端にゴロゴロと転がっている。
これには普段ポーカーフェイスで通っているさすがの私もテンションが上がらざるを得ない。

続いてノウタケを見つけた。
これも看板で紹介されていたキノコである。
なぜノウタケという名前が付いているかというと、脳みそのように表面がしわしわしているから。

私はパンのようでかわいいとも思う。
たまにしわが少ないまま大きく膨れ上がったものは特にかわいい。

かわいい。

これはノウタケの成菌。
ノウタケはただ何の理由もなしに膨れ上がっているわけではなく、中には胞子をたくさん溜め込んでいる。
老菌になると表面が破れて風に吹かれたり、雨粒の当たる衝撃などにより、中の胞子が拡散される。
キノコは傘の裏から胞子を飛ばすものだけではないのである。
今回私が目当てにしているサンコタケやカニノツメも別の方法で胞子を拡散するキノコの一種であるが、それについては後述する。

これもノウタケと同じような方法で胞子を飛ばすキノコである。
ホコリタケといって、成熟すると頭に穴が開き、そこから胞子を飛ばす。
雨粒の衝撃だけでなく、野生動物などが踏みつけた衝撃などでも胞子が出てくる。
胞子がホコリのようにぶわっと出てくるので、ホコリタケと名が付いている。

ホコリタケは腐葉土の上に生えているのをよく見かけるが、朽木の上に群生して生えているのは初めて見た。
そういえばこの前、長沼公園でもコイヌノエフデと思われるキノコが同じように朽木の上に生えているのを見たので、私が今まであまり見たことがなかっただけで、腹菌類と朽木の組み合わせは一般的なのかもしれない。

マンネンタケ。

マンネンタケとカワラタケの競演。

暖温帯落葉広葉樹林(W3)のエリアにやってきた。
サンコタケやカニノツメが生えているとしたら、多分このエリアだろう。

ウッドチップの撒かれた園路を見つけたので入ってみた。
そうそう、こういうところにはチャワンタケも生えるんだよな…。

と思っていたら、すぐ横にサンコタケの幼菌らしき卵状のキノコを発見。

園路のそこかしこに赤い色を見つけるも、生えてから時間が経っていて、かつ雨に濡れたからか、グズグズに崩れているものが多かった。

少し進むとキツネノタイマツも見つけた。

サンコタケもカニノツメもそうだが、この類のキノコは先端にグレバという黒っぽい色をした粘液をつけている。
このグレバは糞便のような強烈な臭いを発する。
私は糞便というよりは、汗に濡れたTシャツを5日間くらいビニール袋に入れて放置したような臭いのようにも思うこともあるが、とにかく臭い。
でも、この臭いこそがハエなどの虫を引き付けて、グレバに含まれる胞子がハエの足などに付着することにより、胞子を拡散する。
虫の力を借りることにより、胞子を拡散するタイプのキノコなのである。
今日は雨でグレバが流れ落ちてしまっているものが多かったが、下の写真のキツネノタイマツは比較的多くのグレバが残っている。

キツネノタイマツのグレバが付いている先端部分を拡大して撮影してみた。

雨の水分を吸って膨らみ、透明感の増したキツネノタイマツと思われるキノコの幼菌。
これは明日あたり生えてくるだろう。
明日も訪れることとしよう。

比較的形を保ったサンコタケを発見。
サンコタケにもグレバが付いている。

お、赤いものが遠くに見える。

めいいっぱいズームしてさらに撮った写真を拡大してみたところ、確かにタマゴタケだった。
奥に傘の開ききったものと、手前に開いている途中の段階の計2本。

これは私の好きな段階のタマゴタケ。
タマゴタケは白い”ツボ”と呼ばれる部分を突き破って傘が生えてくる。
私はツボから真っ赤な傘が顔を覗かせ始めた頃が最も好みである。
成長の段階によって違った姿を楽しめるのもタマゴタケの面白さである。

オオシロカラカサタケだ。

なにげなくハリガネオチバタケと思われるキノコを写真に収めたところ、写真の左上の方に紫色のハナオチバタケと思われるキノコが写っているのに気が付いた。
ハナオチバタケはハリガネオチバタケに比べて少しだけレアなので、私としてはちょっとしたラッキーを感じられるキノコだ。

ここで読者の皆さま(いるのか?)にクイズ。
このキノコの名前は分かりますでしょうか。
そう、ノウタケです。

これはアラゲキクラゲ。

先ほどの暖温帯落葉広葉樹林(W3)のエリア内だったかは覚えていないが、ウッドチップの敷かれた園路でカニノツメを発見。
名前の由来は見た目の通り。
グレバがたっぷり付いている。

冷温帯落葉広葉樹林(W4)と暖温帯落葉広葉樹林(W3)を行ったり来たりしているうちに、最初にサンコタケを見つけたウッドチップの園路に戻ってきた。
明日来るので期待しているぞ。

植物園の入口に戻ろうとして歩いていたところ、視界の端に何やら白いものが。
しかし、園路からかなり奥まったところにある。
めいいっぱいズームしてこの大きさ。

トリミングしてさらに拡大したところ、ホウキタケの一種だった。
geminiに聞いてみたところ、シロヒメホウキタケというらしい。
とても繊細でかわいい見た目をしている。
できれば近くで撮ってみたいが、植物保護のため園路から外れるわけにはいかない。
仕方ないね。

14時28分に天久保(筑波実験植物園)を出発する路線バスに乗ってつくば駅まで戻り、つくばエクスプレスに乗って帰宅。
明日も筑波実験植物園を訪れるため、つくば駅周辺でホテルに泊まるか少し迷ったが、時間がまだ早かったため、帰宅することを選んだ。
これが17時近かったら、ホテルに泊まっていたと思う。

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